研究会開催によせて

 令和5年度、玉川学園は創立94周年を迎えました。創立以来の教育理念である「全人教育」の実践に日々邁進する中、学びの連続性と園児・児童・生徒の発達段階に応じた生活区分を重視し、令和3年度には、K–12(幼稚部・小学部・中学部・高等部)一貫教育へと2度目の教育システム改革(最初は平成18年度)を行いました。改革準備の段階からコロナ禍の影響を大いに受けましたが、ICT教育環境を含め学校生活環境を整備し、EdTechを活用した新しい教科教育・STEAM教育などの探究学習を、積極的に導入しかつ着実に実践してきました。
 そしてこの度、K–12が一体となり、協同体制のもと初めての「K–12探究学習研究会」を開催する運びとなりました。本学園は創立当初より、日常の教育活動の中に探究的な学びを取り入れることを大切にしてきました。その代表的な授業が「自由研究」です。「自由研究」をはじめ各学年で実施している「学びの技」等の探究学習については、教育システム改革によって従来までの幼稚部・小学部・中学部・高等部といった学校種毎の教育プログラムからの脱却を目指し、上級学年との繋がりを意識した上で学齢に即した新たな探究の学びのスタイルの再構築に取り組んでいます。
 午前の部では、本学園の子ども達による研究発表を公開し、参加の皆さまの様々なご意見やご感想を賜ることで、子ども達自身の学びを深め、本学園教育活動の改善につなげたいと考えています。
 また、午後の部では基調講演と分科会を予定しています。研究テーマに沿ってお招きした外部講師による基調講演と、本学園の思考力育成の取り組みの様子を紹介する分科会を通じて、皆さまと共にこれからの教育のあり方について考えて参ります。
 多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げます。

玉川学園アカデミックサポートセンター センター長
玉川学園K–12 思考力育成委員会 委員長

伊部 敏之