古典芸能に親しもう

 日本の古典芸能には、近世以前に起源を持つ、歌舞伎・能・狂言・文楽・落語・雅楽・日本舞踊・邦楽・講談などがあります。今回はそのうち、伝統に新しい風を吹き込んで、若い世代にも注目されている「歌舞伎・落語・講談」を取り上げて紹介します。

 歌舞伎は、室町時代の出雲阿国の念仏踊りを起源に約400年の歴史を持ちます。テレビドラマでなじみ深い役者も大勢います。古典歌舞伎のほかに、斬新なスーパー歌舞があり、アニメで有名な『ワンピース』を題材にした作品が話題を呼びました。さらに、宮﨑駿夫監督の映画で知られる『風の谷のナウシカ』の歌舞伎バージョンがもうすぐお目見えします。

 落語の起源は諸説あり、戦国時代に武将に語り聞かせた御伽衆に端を発し、その後江戸時代の町辻から寄席へと変遷したといわれています。昨今は、若い世代のために安価で楽しめる時間帯を設ける寄席もあります。注目の若手は、真打ち春風亭一之輔、二つ目の柳亭小痴楽、柳家わさび、立川吉笑らです。

 講談は、元禄の頃、浅草付近の町辻で『太平記』を講じたのが始まりと言われています。一時すっかり衰退したのですが、自ら「絶滅危惧職」と開き直って登場したのが神田松之亟です。今や最もチケットが取れない売れっ子になっています。

 古典芸能は、やや近寄りがたい存在のようですが、もともとは庶民の娯楽でした。この展示を機会に、まずは入門書など関連の図書を手に取ってみましょう。次に、ユーチューブやテレビでのぞいてみて、最後はそれぞれを直接鑑賞するために、劇場に足を運びましょう。

【展示場所】MMRCシアター前

【展示期間】11月11日(月)~11月29日(金)