【オンライン企画】没後400周年 三浦按針の足跡をたどる

 三浦按針(みうら・あんじん)という人物をご存知でしょうか。歴史の授業でその名前を聞いたことがある人もいるでしょうが、今年(2020年)は、三浦按針の没後400周年を迎える節目の年です。

 三浦按針こと、ウィリアム・アダムズ(1564~1620)は、江戸時代初期に徳川家康に外交顧問として仕えたイギリス人です。かつてはフランシス・ドレークの指揮の下、アルマダ海戦にも参加するなどイギリスでも有名な航海士でした。
 彼が日本へ来ることになったのは、仕事の関係でオランダ人と交流を深め、極東をめざすことになったからでした。しかし、その道中は平穏ではなく、アダムズらの乗った船は漂流、1600年に日本の豊後(ぶんご)臼杵(うすき)〔現・大分県臼杵市〕に漂着しました。このとき、アダムズらに接見したのが徳川家康です。
 当時の日本は、異国船を警戒していたこともあり、取り調べを受けたアダムズらでしたが、徐々に誤解が解かれ家康と親しくなり、最終的には家康の側近として働くことになります。ちなみに家康がウィリアム・アダムズと接見した数カ月後、ついに天下分け目の関ケ原の戦いが起き、勝利した徳川家康は江戸幕府を開きます。
 そこで今回、MMRCでは「没後400周年 三浦按針の足跡をたどる」と題して、関連する展示コーナーを設置します。長年、玉川学園高学年、玉川大学で教鞭をとられ、三浦按針について研究されている森良和先生の著作も展示、また東京駅付近の三浦按針や、ヤン・ヨーテンら史跡の写真も展示しています。
 ぜひこの機会に、三浦按針や徳川家康、江戸時代について調べてみませんか。

[参考]いずれも玉川大学のホームページ寄稿より
・森良和「リーフデ号のそれから」(2013.11.28)
https://www.tamagawa.jp/correspondence/about/column/detail_6456.html
・森良和「三浦按針の日本人妻」(2016.5.1)
https://www.tamagawa.jp/correspondence/about/column/detail_10575.html

 

[国立国会図書館]デジタル展覧会
・江戸時代の日蘭交流(2009.12.16)

 

 

[展示本リスト](主要なもの:著者、書名、出版社、資料番号)
・森良和『リーフデ号の人びと』学文社、903623640
・チーム・ガリレオ ストーリー、大富寺航(マンガ)『江戸の町のサバイバル 生き残り作戦』朝日新聞出版、903624236
・西本鶏介・文、宮嶋友美・絵、大石学・監修『徳川家康 江戸幕府をひらいた将軍』ミネルヴァ書房、903459668
・島崎晋『マンガでわかるイギリスの歴史』誠文堂新光社、903593658
・佐藤弘幸『図説オランダの歴史』河出書房新社、903687392
・安田就視・写真、わたなべこういち・イラスト、人文社編集部・企画・編集『江戸東京散歩』人文社、903369394

(MMRC 司書教諭)