著者の高柳誠先生は詩人で玉川大学リベラルアーツ学部の元教授でもあります。本書は読売文学賞の候補にもなりました。
著者はリーメンシュナイダーの彫刻と出会った瞬間、全身が震えて動けなくなったそうです。その瞬間は次のように記述されています。「この時、リーメンシュナイダーを先験的に知っているという実感に襲われた。なぜかは分からない。しかし、そうしたことは起こりうることだ。その人の作品の一端に触れた途端、その人についての知識がなくとも、その人の精神像が見えてしまうことが。」そこからリーメンシュナイダーをひたすら追いかけ、本書が生まれます。生まれた時代も文化も異なる彫刻家と詩人の鮮烈な出会いの不思議に思わず引き込まれます。
(Secondary Program Division 英語)