「みんながめいめいじぶんの神さまがほんとうの神さまだというだろう。けれどもお互いほかの神さまを信ずる人たちのしたことでも涙がこぼれるだろう。それからぼくたちの心がいいとかわるいとか議論するだろう。そして勝負がつかないだろう。けれどももし、おまえがほんとうに勉強して、実験でちゃんとほんとうの考えと、うその考えを分けてしまえば、その実験の方法さえきまれば、もう信仰も科学と同じようになる。」
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」(異稿)ブロカニロ博士の言葉
20才で終戦を迎えた著者にとって、この言葉は生涯のテーマだったようです。宮沢賢治、シモーヌヴェイユ(フランスの思想家)、旧約聖書「ヨブ記」を巡り、「ほんとう」と「うそ」をどう仕分けるのか、白熱の論考が展開されます。
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