橋爪大三郎×大澤真幸『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)

橋爪大三郎×大澤真幸

『ふしぎなキリスト教』

(講談社現代新書)

 自由研究でキリスト教を研究テーマにした生徒がいた時に一緒に勉強した本です。西洋哲学や文化を追求していくとキリスト教にたどり着く経験をよくします。
 タイトルに「ふしぎな・・」とありますが、「変だ」・・という意味ではなく、私たちが日常生活をしている原理とは異質で、ふしぎなことだらけ・・ということです。
 「全知全能の神が作った世界に、なぜ悪があるのか」「預言者とは何者か」「イエスは神なのか、人なのか」「なぜ福音書は複数あるのか」「無神論者は本当に無神論者か?」など、目次のタイトルを見て興味を惹かれるところから読み始めるのもお薦めです。
 社会学者である著者の論点整理は鮮やかで目から鱗ですが、読後感はすっきり分かったという気持ちになるどころか、奥に入ると果てしないという予感を感じさせる本です。
 (Secondary Program Division 英語)