古市憲寿『保育園義務教育化』(小学館)

hoikuenn
古市憲寿
『保育園義務教育化』
(小学館)

  齢30になって、イギリスでの異国生活も経て少しずつ気になることが増えてきたんです。「子供を産むのってお金、産休育休、仕事との両立どれを取っても大変そうだなあ」

 「なぜ日本の男性育休取得率はたった2%なんだろう」「なぜ女性は産休育休を取って出世ルートを外れなければいけないことが多いんだろう」とか。「日本ももっと食洗機とかナニー(訪問保育サービス)とか普及して出産育児の負担が減れば良いのになあ」とかとか。

 この本は「実は日本の15歳未満の子供の数は、日本で飼われている犬猫の数より少ない」というような事実から、日本の「三歳児神話」「母乳神話」や「子供にどのような教育をすべきか」といった問題をデータから検証し議論するところまで行っています。「教育」だけでなく、「親」「子供」「出産」「育児」という多くの人に関わるテーマが取り上げられているので、興味が湧いたらページをめくってみてはいかがでしょうか。(高学年 国語科)