左右社編集部編『〆切本』(左右社)

表紙_〆切本
           左右社編集部編『〆切本』(左右社)

“拝復、
ただいま 大宮で カンヅメになり仕事中です、からだは甚だ調子わるし、
しかし、人間といふものは なかなかへたばらぬもので、窮すれば通ずる、といふ俗諺は、本当らしい“ (太宰治の手紙より)

現在、MMRCでは「作家を偲ぶ」というオンライン企画を行っています。誰もが聞いたことのある有名な作品ばかりが並びますが、「作家」と呼ばれる人たちもいつでもどこでも簡単に文章が書けるわけではないのです。そんな作家たちの「〆切(しめきり)」に対する思いを集めた「本」です。子どもじみた言い訳や自嘲、〆切を守る自分への誇りなど、作家たちの思いは十人十色。

夏目漱石、川端康成、太宰治、梶井基次郎など往年の文豪たちから、星新一、村上春樹、西加奈子、小川洋子など現代の人気作家まで、作家と〆切の切っても切れない関係、その苦しみと喜びの94篇。これを読めばあなたも〆切が怖くなくなるでしょう。読めばきっと共感できる、珠玉の一冊です。(注意:〆切は守りましょう)

(MMRC司書教諭)