オードリー・タン『自由への手紙』(講談社)

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        オードリー・タン『自由への手紙』(講談社)

 コロナ・マップで一躍その名前が知られることになった台湾のデジタル担当政務委員、オードリー・タンさん。彼女の考え方を「自由」という一つのキーワードをもとに編み上げたこの本は、彼女の革新的な信念をやわらかい言葉で語っています。
 本書で彼女は「自由」を二種類に分けて定義します。「個人として何かから自由になること」がネガティブ・フリーダム、そして「自分だけでなく他人も解放してあげる自由」がポジティブ・フリーダムです。「自由」から通常イメージされるのは前者の自由、すなわちマイナス状態からの「自由」ですが、後者の「自由」はさらにもう一歩進んだ自分以外のさまざまな人たちと社会の中で共存することを目的とした「自由」です。みなさんはこの本を読み、まず自分が何にとらわれているのかを見つめ直してみてください。そして様々な異なる考えや背景をもった人々が平和に安心に暮らせる社会はどのような社会なのか、そしてそれはどのように可能なのか、オードリーの発言を素材に自分で考えてみましょう。  (IB Programs Division 国語科)