ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと』(阪急コミュニケーションズ)

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ティナ・シーリグ
『20歳のときに知っておきたかったこと』
訳・高遠裕子
(阪急コミュニケーションズ)

 私が初めて本書に出会ったのは高校2年生。進路に悩んでいた時に図書室で目に入り、なんとなく手に取ってみた。そんな本書を初めて読んだ時の「目から鱗が落ちる」感覚は10年以上経った今でも鮮明に覚えている。

 スタンフォード大学で教鞭をとる筆者の講義が凝縮された本書は、身の回りの問題との向き合い方について考えさせられる。例えば、「2時間と5ドル」という限られた時間や資源で最大限の価値を生み出す方法は何か。実際に学生たちに与えた課題を元に、物事を多角的に見つめる力や独創性を持って問題解決をする大切さを伝えている。そしてこの課題は私の「目から鱗」体験のほんの一例に過ぎなかった。

 私は高校卒業後も貴重な道標として時々読み返している。本の内容は同じであっても、自分自身の置かれた状況の違いや積み重なった経験により、読む度に新たな収穫がある。20歳になる前の若い玉川っ子たちにはぜひとも一度読んでもらいたい。

                        (Secondary Program Division 英語科)